エッセー第十六回:ダイヤモンドのイミテーション、合成、処理

あなたのダイヤモンドは本物? イミテーション・合成・処理

ダイヤモンドの輝きは自然が生んだ神秘といえるような美しさです。古代インドで初めて発見されてから、ダイヤモンドは我々を魅了してきました。
科学の進歩とともに、人間は自然が生んだ神秘の輝きのダイヤモンドを作りだすようになりました。
さらに、自然が生んだ『天然ダイヤモンド』を人工的に処理をして、さまざまな色調のダイヤモンドに変化させたり、ダイヤモンド中に存在する『割れ』を見え難くする技術も開発されました。
また、電子工学の分野で様々な人工結晶が作りだされるようになり、その中の一部の結晶は、外観がダイヤモンドに良く似たものもあり、それらはダイヤモンドのイミテーションとして使われるようになりました。

ダイヤモンド:
新聞の広告やネット上で「本場、ニューヨークのダイヤモンド鑑定士も区別がつかない」というキャッチコピーを見かけたことがあると思います。
人工ダイヤモンドという言葉でグーグル検索をすると、最先頭に『高級人工ダイヤモンドジュエリー』というサイトが表示されたので見てみました。

次に『ダイヤモンドシミュラントって何?』をクリックすると、このような説明がありました。これを読んで、ダイヤモンドシミュラントというものが、一体、何であるかを理解するのは私には困難です。
化学的(科学的だと思いますが)に創り出されたとあるので、人工物で有ることはわかりますが、では、人工ダイヤモンドなのか、ダイヤモンドに外観が似たイミテーションなのかという事はわかりません。

日本での宝石表示ルール
1. ダイヤモンドもしくは○○○ダイヤモンドと表示すると、それは天然ダイヤモンドを意味します。
2. 人工ダイヤモンドという表示はなく、合成ダイヤモンドと表示する
この場合は『化学特性、物理特性、内部構造等が天然石とまったく同じもの』ですので、人工的に作った『炭素の等軸晶系の結晶』が合成ダイヤモンドとなります。
3. 合成ダイヤモンド以外で外観がダイヤモンドに似たものは人造石か模造石ですので(一般社団法人宝石鑑別団体協議会)人造○○○とか模造石の表示となります。

結論
このサイトは検索では『高級人工ダイヤモンドジュエリー』として検索画面のトップに表示されるようにし、実際に販売しているものは『ダイヤモンドシミュラント』というような表示で『人造キュービックジルコニア』を販売しているということになります。

合成ダイヤモンドとは?
ダイヤモンドは物質として非常に特異な特性を持っております。そのために世界中の化学会社が合成ダイヤモンドの研究をしております。
その結果、最近は非常にきれいな合成ダイヤモンド(成分、構造ともに天然ダイヤモンドと同じだが、人間が作ったダイヤモンド)が作れるようになりました。
合成ダイヤモンドを作る方法は大別して2つの方法があります。
炭素に高温と高圧をかけダイヤモンドに変化させる方法です。石炭であろうが、ピーナッツであろうが、炭素を含む物質に高温高圧をかけるとダイヤモンドに変化します(高温高圧法)。
メタンガス等の気体からダイヤモンドを合成する気相成長法の2方法があります。最近は気相成長法が進歩し大型のダイヤモンドが作れるようになり、販売もされております。
これらの合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドとの区別が難しいので、ダイヤモンドは信用有るお店でお買いになるようにしてください。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドとの区別が難しいと述べましたが、宝石のプロは区別できますので安心してください。

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