エッセー第十八回:金(きん)と金(かね)

金(きん)の指輪、ネックレス、宝飾品として金(きん)は古来から人は追い求めてきました。金(きん)は美しく眩いものですが、一面は人間の強欲の象徴とでもいえるような存在です。漢字を見てください。金(かね)を失うと書いて「鉄」、金(かね)と同じで「銅」、金(かね)が良いで「銀」。

古来、洋の東西を問わず金(きん)と金(かね)は人間を狂わせ、人の人生を狂わせていく存在でしたし、これからも、そういう存在で有るでしょう。




その1 いつまでもあると思うな親と金
その2 金と塵は積もるほど汚い
その3 金の貸し借り不和の基(もと)
その4 金の切れ目が縁の切れ目
その5 地獄の沙汰も金次第
その6 金の光は七光り

この諺では金(かね)ですが、現実の世界では金(きん)と金(かね)はイコールの存在ですから。かように金(きん)と金(かね)には悪印象がまとわりついた印象です。
かくいう私も金(かね)に振り回される人生でした。(まだ終わっていませんが)

ながながと駄文を重ねてきましたが、金(きん)についてのお話をいたします。
この拙文をお読みになっている方にも金(きん)の指輪やネックレスをお持ちの方がいらっしゃると思います。


金(きん)はどこから来たのでしょう。
金は自然の状態でも金属として発見できることがありますが、他の金属はほとんど化合物として存在します。人類が始めて手にした金属は「金」だといわれています。
古代から現在に至るまで「金」を人間は追い求めて様々な物語を生んできました。
「金・きん」は「金・かね」として私たちの生活にかかわってきました。この「金・きん」はどこからきたのでしょうか。このことは科学者の頭を長い間悩ませてきました。とはいっても科学者が頭を悩ませているのは、金のジュエリーやインゴットをどこで買ったかとか、掘り出したということではありません。
科学者は、「金・きん」がどのようにして生成されたのかということに対して頭を悩ませてきたのです。「金・かね」がない私にとってはどうでも良いことではありますが。

実はジュエリーとして皆様の身を飾る金とかプラチナといった貴金属がいつ、どこで、作られたのかということが大きな謎なのです。もちろん、金は金鉱山で採掘される鉱石から精製され、さらにジュエリー職人が作るわけですが。
科学者が頭を悩ませてきたのは、いつ、どこでということは137億年の宇宙の歴史の中でという疑問です。
私たちの地球は太陽系の3番目の惑星であり、太陽系は銀河系の渦状腕と呼ばれる端っこにあるといわれています。
さらにこの太陽系が属する銀河と同じようなものが無数に存在するのが、宇宙だそうです。この宇宙は137億年前のビックバンで形成されたといわれています。
ながながと宇宙の話をしてきましたが、ビックバンの時には宇宙は水素ばかりで他の元素は存在していなかった。まして「金・きん」はまったく存在しておりませんでした。

ビックバン  水素だけ

水素が集まって恒星が形成

酸素や炭素などの軽い元素は、恒星の内部で核融合反応により形成

巨星の寿命を終える際の超新星爆発により宇宙にばらまかれる

地球を形作るほとんどの元素は、そのようなプロセスを経てきたものですが、金やプラチナなどの重元素については、普通の恒星の内部の温度と圧力では生成できません。
「巨星の寿命を終える際の超新星爆発」では金やプラチナは形成されません。そうすると、地球に存在す金やプラチナはどこで出来たのでしょうか。
中性子星は、超新星爆発の際、恒星の核がつぶれてできる超高密度のコンパクトな天体で、地球の百万倍もの質量を持ちながら、大きさは大都市ほどしかありません。
2つの中性子星が衝突するとブラックホールが生成されるとともに、大量の金やプラチナなどの重元素が生成され、その一部は宇宙空間に投げ出されることがわかりました。
宇宙空間に投げ出された金やプラチナを含む星のかけらが、気が遠くなるような時間と距離を移動して、また集まり地球が生まれました。そして、その金が私たちの身を飾るのです。
私たちの体を構成するさまざまな元素も、貴女の、そして私の結婚指輪の金が、遥かな彼方で星どうしの衝突により生成されたのです。二人を結びつける結婚指輪の金やプラチナが悠久の昔に遥かな彼方の中性子星どうしの衝突で生まれたものと考えると、結婚指輪を大事に、もちろん、相手も大事にしないといけません。

 


最後に蛇足を一つ
日本の借金は恐るべき額に膨れ上がりデフォルトに陥るか、ハイパーインフレになるかというような状態になっています。さらにアベノミクスなる政策で金この場合は『かね』をばらまき始めました。
日本の借金は恐るべき金額に膨れ上がっております。ここで、妙案を提案。
世界の国々は、今、金(きん)をせっせと集めています。残念ながら、日本は金の輸出国になっていますが(過去に輸入した金を輸出している)、青森県の恐山を開発するのです。恐山は金の含有量が1t当たり400gを超える世界一優秀な金鉱です。
金鉱石1tあたり数グラムの金鉱石1tあたり数グラムで採算がとれる現在、1t当たり400gを超え、工業技術院の調査では金鉱石1tあたり6千グラム(間違いではありません。6千グラムです)という信じられないような金鉱石も発見されております。
ここで冗談で、ちょっと計算してみましょう。
金価格が4889円(1月6日現在)
日本の借金は928兆円とすると
金価格で928,000,000,000,000÷4889=18,980,000,000,000グラム金があれば
日本の借金がチャラ
恐山の金鉱石1tあたり6千グラムですので
恐山の金鉱石を331万トン採掘すると日本の借金はチャラになります。
さらに日本の借金である国債は大部分を日本国民が直接間接に所有しているので、恐山の地下に眠る金で国債を買い上げ日本国民に持ってもらえば、国の借金は無くなり恐山の地下に眠っていた金が国民のたんすの中で眠るということになり、金が海外に流出しないで国の借金がなくなるという骨董無形な話で締め切らせていただきます。

0