エッセー第三回: 南極昭和基地で宝石が採れる - 大陸のジグソーパズル

熱帯の島スリランカは宝石の産地で、きれいな青いサファイアや赤いルビー、自然光では緑色、白熱光では赤色に変化するアレキサンドライト等、様々な宝石が採れる島として知られております。
ところで、2億年前のスリランカは極寒の地、南極昭和基地と隣りあわせだったそうです。
信じがたいことですが最近の研究では、大昔、世界中の大陸は1箇所に集まって巨大な超大陸「ゴンドワナ」と呼ばれていたそうです。それが分裂して、南米やアフリカ、豪州など南半球の大陸ができました。いまはバラバラになっている小さな大陸を一つの大陸だったころのようにつなぎ合わせてみると、昭和基地の隣はインドやスリランカとなります。
まるで大陸のジグソーパズルのようです。
日本の南極観測隊が昭和基地の東方100キロメートルの地点で地表から露出している岩石からルビーを発見しました。インドやスリランカで出るルビーやサファイアの原石が、昭和基地に近い南極大陸の岩盤から発見されたという事は、昭和基地の周囲の氷を溶かしたらスリランカで取れるような青いサファイアや赤いルビーがごろごろしているということになるのかも。
また、昭和基地の西は南アフリカとつながっていたので、「ダイヤモンドがでても不思議では」ありません。
遠い将来、南極大陸の開発が進み、日本は宝石の原産国となっているという事もあり得るのではないかなどと想像たくましくしております。
女性の憧れの的の宝石が悠久の昔、地球の大変動で生み出され、人々の生活に彩を与えているわけですから自然の神秘を感じます。

 

 

風信子(ヒヤシンス)

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