エッセー第十一回:今年の初夢 黄金の国ジパング
前回は「金・きん」が寿命を迎えた星が最後の大爆発の時に形成されたという話をしました。
星が大爆発をし、砕け散った星のかけらは悠久の旅をして太陽系に集まり、太陽を作り、地球を作りました。そして人間が誕生しました。
日本は四方を海に囲まれた資源に乏しい小さな島国です。原油価格は上昇し、レアーアースは抑えられ、苦しんでいる現状です。
しかし、日本は海洋面積を加えると世界第4位の面積を誇る国で、周囲の海底には豊富な資源が眠っているのです。
宝飾品に用いられる「金・きん」も、メタンハイドレードと呼ばれるエネルギーも、レアーアースも大量に存在することが分かってきたのです。
日本近海の海底には熱水鉱床と呼ばれる金や銀等の金属を豊富に含む鉱床が大量に存在し、その鉱物資源を採集するプロジェクトが今年から始まります。
最初は試験採集ですが、10年後くらいには商業的に採掘が始まるのではないかと期待しています。
皆様の胸元を飾るゴールド・アクセサリーや金の指輪も海から採掘した国産の金で作ることが出来るようになるでしょう。
ハイブリッド車のモーターも海底から採集したレアーアースで作り、ガスコンロの都市ガスも海底から採集したメタンハイドレードになるかもしれません。
宝石に携わる身としては、海底からダイヤモンドがザクザクと採掘できればと思いますが、残念ながら日本の海洋を含めた領土内ではダイヤモンドは取れません。しかし、非常にきれいな珊瑚や真珠が取れます。
今年の初夢は、血赤珊瑚を日本の海底から採集した金で作ったジュエリーで彼女の胸元を飾るというものでした。
この夢が実現できるように期待します。